中３女子です。

　『暗黒定数式 The Dark constexpr』は情報科学や SF を中心とした文芸サークルです。

　これまで、SF合同誌『暗黒定数式 Vol.1』『暗黒定数式 Vol.2』を主に文学フリマで刊行・頒布してきました。

　現在、次号『暗黒定数式 Vol.3』の刊行を予定しています。これからもよろしくお願いします。

　寄稿もお待ちしております。

　このサークル名は、グレッグ・イーガンの短編小説『暗黒整数』（原題：Dark Integers）、およびプログラミング言語 C++ の言語機能である constexpr が元になっています。

　グレッグ・イーガンは『ルミナス』とその続編『暗黒整数』において、われわれとまったく異なる数学原理と物理法則が支配する平行宇宙との遭遇を描きました。

　量子論において重ね合わせの固有状態が「観測」によって決定されるように、開闢のときからわれわれの宇宙を支配しているはずの数学的真理もまた「証明」という観測行為によってもたらされたものにすぎず、彼方側と此方側の異なる数学原理にもとづく証明がもし、互いの宇宙の物理法則さえも侵犯しうるとしたら？

（作中では、戦略的証明のために PC （光量子コンピュータや単なるラップトップPC）とプログラミングが巧みにガジェットとして用いられています）

　科学とりわけ情報科学はいま、かつて哲学者や空想家のいだいた形而上の思考実験や夢想あるいは恐怖に対して、「もしかすると」というなかば現実感あるディテールを与えるにいたっています。

　人が科学にいだくシンパシーは、反知性主義的批判の藁人形としての科学信仰や人間性否定などではなく、先人への憧憬、存在への問い、知的好奇心といった人類普遍の性質に基づくものにほかならないと、そう考えています。

　『暗黒定数式 The Dark constexpr』では、知や思弁や感性に対して美や楽しみを見出すものであれば、作品のジャンルや思想、形式等を問いません。

　願わくは、ここが豊かで自由な創作のよき場とならんことを。

発起人　ボレロ村上