暗黒定数式 Vol.3

タギリの夏至は、風とともにやってくる。
銀河にちらばる地球化(テラフォーミング)惑星群のひとつ、蛮星タギリ。そこではあらゆる自然が《呪言》と呼ばれるシステムのもと運行されている。タギリ生まれの植林手マシムーンと狩猟手カマリは、夏至の大暴風《大渦巻》に乗って空の果てから降りてくる『天鯨』を狩ろうとしていた。だが、『天鯨』はかれらの想像を超える存在であった。未知と驚異、死と生のあわいで狩人たちはみずからのルーツと対峙する――異星とヒトの驚異を描く『蛮星』シリーズ第一作。

――ひとつ、ふたつ、たくさん
ルーミング、それは他者の精神に入り込み患者を力づくで連れ戻す、現在の医療レベルにおける閉律症のもっとも有効な治療法。青山希海、古江紀佳、そして藤白貴和。ふとしたきっかけで同じチームになった三人はこの活動を通じて交流を深めていくがやがて――

掌編集。
ノントリビアリティ1：シンク・シンク・シンク ― 伊藤計劃以降に関する考察
ノントリビアリティ2：リロケーテッド酒場 ― 美味しいお酒に関する考察

わたしたちは宇宙の果てで関係する。

時に2027年。DOLLと呼ばれる心をもった機械の少女達が、ヒトと共生する未来。九州の南の海に浮かぶ屋久島につくられた緑化実験都市には、ヒトとDOLLが一緒に通う学園があった。
ある出来事をきっかけに目標を見失って家に閉じこもっていた高校生・糸川稔を、探偵部の部長を名乗るDOLL・桜が無理やり連れ出すところから、物語は始まる。いつの間にか探偵部員にさせられていた稔と、名探偵を自称する割にどこか抜けている桜、それに同じ部室で活動することになった園芸部員の朝菜と夕菜も巻き込んだ、騒がしいほど明るい毎日。
やがて、学園でDOLLが相次いで失踪する事件が起きていることを知り真相究明に乗り出した実たちの前に、学園の裏側で暗躍する巨大な陰謀が立ちはだかる。

江戸時代末期。徒手空拳の若き学者・平田篤胤はある年の元旦に奇妙な夢を見た。
それは見た事もない石造りの通路。そこに佇むは牛の頭を持つ異形の怪物。果たしてその通路は何処へと繋がっていたのか――
近世の終わり。近代の直前。合理主義と幻の間に生きた奇人が主人公です。

高層ビルのスラム街で生まれ育った少年が迎え入れられたのは、少女としての新たなる人生。少年は少女となり、今を生きる世界を知ろうとするが──

空をテーマにした12枚のフォトコラージュ。