暗黒定数式 Vol.2

アンドロイドメーカーＳＤＲの新型ルーミングマシンのモニターとしてサマリー17第一世代ガイノイド・サクヤの精神空間を訪れた青山希海は、謎の情報知性体に遭遇する。

希海とリコ、ふたりの日常は突如として終わりを告げた。大学に連れ戻された希海は日々の活動に心身を削られていく。そんな中突如としてリコの記憶が戻ってしまい……。ままならない心《ハードプロブレム》を抱えるふたりの物語、完結編。
――機械になりたい、って思った。いまでもそう思ってる。

第零世界は語らない。

共感しないで下さい。

人類が意識をソフトウェア化し、コンピュータに住むようになってからすでに数千年。職を失った電子ドラッグ中毒の労働者キースに与えられた任務は、暴走するセントラル・コンピュータの制御を取り戻すことだった。

自己分析、ＥＳ、面接、グループワーク……。
大学の研究や単位のことを頭の隅に置きながら就職活動をするということは、二十代前半の少年少女にとっては非常に過酷なものでありストレスフルである。 この物語はそんな就職活動について特に取り上げてはいません。新入社員なので入社からスタートです。

東京下町。良いものも悪いものも、古いものも新しいものも、人の営みに関わるものを全て凝縮したような、混沌としたこの町で、白い、白い、不思議な少女と、知佳は出会った。

その猫は、”至高の恋”を思い出させた。

時は明治三十九年。淫祠邪教と迷信がこの国から廃滅されようとしていた時代。
古より何者かが祀られ続ける山に入り込んだ男は、そこで小さく奇妙な“神”を見た。

遠い昔、銀の剣とくろがねの矢をもった翼の乙女が、天空から舞い降りて町を救いました――翼人伝承が残る古い城塞都市で、翼人の末裔として人々から崇められながら、丘の上の塔に独りで暮らす蛍（ほたる）。
町の伝統に縛られることを嫌い、自作の凧で本物の空を目指す、試行錯誤の毎日。
そんなある日、蛍は町の外からやってきた少女、波那（はな）と出会います。
最後の翼人と少女が夢を追った、ひと夏の風と翼の物語。